書誌情報
集英社文庫
暗夜鬼譚 紫花玉響
著者
あらすじ・概要
「運命の出会い」を求め、夜の平安京をお忍びで歩くのが帝の息抜き。病気の上司にかわり、今夜は夏樹がお供を務めた。見事な藤の花が咲く家で人違いの招きを受けた帝は、夏樹の制止も聞かずに応じてしまう。そこで出逢ったのが藤香姫だった。翌日、その家は藤の木もろとも消えてしまい、夏樹は藤香を捜して都中をさまよう羽目に。そして、春の柔らかな朧月の下、ひとりでに動き回る牛車を目撃。その直後、一条にも負けない美少年・馨が夜盗に襲われているのを助けるが……。見事な藤の花が咲く家で帝が出会った美貌の姫君の正体とは? 美しくも哀しい、平安怪異譚シリーズ第5弾!
第一章 春の名残の闇の芳香
第二章 花陰の逢瀬
第三章 葵祭りの夜
第四章 常闇の道
第五章 南都残照
第六章 藤花幻想
桂・昔語り
あとがき