書誌情報

集英社文庫

楊花の歌

埋め込みコード(HTML)

※このコードをコピーしてサイトに貼り付けてください

試し読み

著者

著:青波杏

あらすじ・概要

1941年、大阪松島遊廓から逃走して、日本占領下の福建省廈門に辿り着いたリリーは、抗日活動家の楊に従い、カフェーで女給として働きながら諜報活動をしていた。あるとき、楊から日本軍諜報員の暗殺を指示され、その実行者として、琥珀色の瞳と蛇の刺青が印象的なヤンファという女性を紹介される。ヤンファに惹かれていくリリーにとって、彼女と過ごす時間だけが生への実感を持てるひとときになっていた。しかし、楊から秘密裏に課されていた指令は、暗殺に失敗した場合はヤンファを殺せというものだった……。戦時下を舞台に流転する女性たちの愛と葛藤を描く、圧巻の熱量を放つ第35回小説すばる新人賞受賞作!

第一部
廈門、一九四一年十月二十一日
上海、一九三七年三月九日
廈門、一九四一年十月二十一日、二十二日
崇武、一九四一年十月二十三日
大阪、一九三七年三月三日
廈門、一九四一年十月二十四日
廈門、一九四一年十月二十五日
第二部
廈門、一九四一年十月二十六日
廈門、一九四一年十月二十六日、午後三時三十分
廈門、一九四一年十一月二十九日
第三部
虹の橋の下の集落、一九一四年
坂の途中の街、一九二〇年
海の街の学校、一九二六年四月
海の街の夜、一九二六年六月
坂の途中の街、一九二七年四月
海の街の学校、一九二七年五月
第四部
基隆、一九四一年十二月
金瓜石、一九四二年四月
エピローグ